2016年2月27日土曜日

古今東西にペルシャ美術を紹介


東京丸の内の日本工業倶楽部会館にて

 講演『シルクロードが結ぶ西と東の造形』
演奏「ペルシャ伝統音楽サントゥール」

平成28年2月27日


プーリー・アナビアン  (ペルシャ伝統楽器サントゥール奏者)



シルクロードの建築について、大学の先生方が6時間による講演会のフルコースの後にペルシャ伝統音楽をデザートに


 明治27年、最初に煉瓦造の三菱一号館が建設されて以来、100年以上の歴史を持つビジネスセンターとして発展してきた。瑠璃色のビロードに金で手刺繍したペルシャの大正時代の衣装はこの建物と同じ時代です。


200人の聴衆


プーリー・アナビアンが演奏するサントゥールは、ピアノの打楽器のよさと琴の弦楽器の繊細さを合わせたような打弦楽器。


44年以上日本各地でサントゥール演奏会を何千回やってきました。その度に聴衆は初体験だと言っています。サントゥール演奏会は毎回、聴衆にとっての初体験。


演奏の曲は「イスファハーン」16世紀のペルシャの古都。


イスファハーンは、天を仰ぐとこの世のものと思えないペルシャブルーのモスク(ドーム型寺院)がいっぱいあるところ。


ドームに気が遠くなるほどの緻密な模様が描かれている小さなタイルが、一面にはりめぐらされ、全てが一つの巨大なハーモニーを作り出します。


無数に集まったタイルで覆われた魔法のようなモスクをサントゥールの繊細な旋律で表現したのです。


歴史上、初めてドーム型の建物ができたのはペルシャだったのです。ゾロアスターの寺院から始まって、ローマの教会やイスラム寺院が取り入れたのです。


シルクロードの文化と建築の講演会、演奏会を追えるとサントゥールの紹介。ほとんどの人がみたことがない。


72弦を4本ずつ弦をはっているので、


同じ音がする4本が共鳴して複雑な音を醸し出します。

 

3月3日2016日 
プーリーのサントゥール演奏とダリアの講演 英語版
 History, Music Magic and All Things Persian Santour Performance and Lecture
Host IBARAKI   INTERCULTURAL NETWORK  (IIN)
INTERNATIONAL FRIENDSHIP ASSOCIATION OF IBARAKI
Performer Pouri Anavian
Speaker Dalia Anavian


いつも関西弁の講演会をしているので、英語で聞いてくださるのは新鮮です。


一般社団法人 国際フレンドシップ協会には何度か呼ばれ、家族のようです。


めったに聞けない音楽とお話

サントゥールは、繊細な楽器なので、大きなところでマイクを通して聴くよりも生で聞くのがいちばん。



普段お話できない歴史もこじんまりとした部屋で。2000年前に始まったパルチア帝国。残念ながら2015の春この神殿も、シリアのパルミラの遺跡と同じように、イスラム国に破壊されてしまいました。イスラム以前の歴史をすべて破壊しようとしているんですね。2000年前のハトラという神殿はほとんどの人がその存在を知ることなく、砂漠の霧の彼方へと消えてしまいました。






国際フォーラム「音楽とトークで描く芦屋の未来
激動の祖国から安住の地を求めて来日した人々と、21世紀の多文化共生を語り合い


日本は難民を受け入れるべきか。2015年の難民受け入れ 日本27人。ドイツ100万人。一人一人の難民の命は大切です。しかし、テロや治安のリスクを背負って難民はどこまで受け入れるべきか。難民問題について議論ができることは大切です。それより、大切なのは難民を作らない世の中にしていくことです。


ディスカッションが終わると、プーリー・アナビアンのペルシャ古典楽器サントゥールとピアノの伴奏。




大和秤

 

教育は、文化を継承し、人格を陶冶するはず。なのに学校の教育は知識を暗記し、受験に高額するための切符にすぎない。歴史の科目は、頭に知識ばかり詰められ、気ーついたら自信、想像力、好奇心、オリジナリティーが抹殺されてしまうところ。少なくても私自身は歴史の科目に居眠りしていたか、教科書に漫画を描いて、結局は歴史を落第しました。そして、今や歴史の伝道士になりました。自分のような人たちが多いと思うのです。本当の教育は、音楽や歴史のロマンを伝えること。先祖たちの素晴らしい知恵に触れて、感動すること。




大和製衡株式会社の川西社長は、毎年のセミナーをハカリの歴史から始めます。ペルシャでは紀元前500年から重量単位を定められました。2500年間も秤が進化してきて、大和の会社も現在秤を進化させている。


大和製衡株式会社は毎年、スタッフを入れて毎年のように演奏会をします。


川西社長もサックスをふく。



音楽、ディナー、ワイン、歴史のロマンが溢れる講演で、スタッフの研究精神を高めるのです。そして、より優れた秤を作り、日本から海外へ輸出していくのです。


次は、芦屋の、ご年配の方が一緒に生活している「喜楽園」でレクチャーコンサート。


「喜楽庭」の聴衆の一人一人の表情が暖かく、熱心で興味深く聞いてくださいました。様々な人生経験を持たれている皆さんの前で演奏とお話ができたのは貴重でした。ホントに聞き上手な方々の前でレクチャーコンサートができるのは幸せなことです。


イラン人は日常会話のなかにポエムを引用しながらしゃべります。日本語で万葉集を引用して日常会話はしませんよね。


日本で百人一首はよく知られていますが、学校で習う百人一首は面白くない天皇の歌ばかりです。もっと恋の歌を教えるとお正月だけの歌留多遊びだけではなく、普段の会話にも出てくるようになります。



歌のやり取りができる人がモテルのです。ペルシャ音楽は、ポエムのリズムをとるために旋律ができていきます。



「ルビー色のお酒もバラ水も杯に流し香の微風も巨大な酒樽に注ぎ入れてしまおう」ペルシャでは全てを酒に流そうというときにこの詩を引用するんです。日本語でもいうところの水に流そうという意味でね。