観て、触って、聴いて、食べて感じる
惑のペルシャ5000年の美と伝統
展示と講演
神戸 北野坂 オフィスDOにて 2021年10月23日
アナビアン・コレクションとは、イランの首都テヘランにおいて100年以上続いた老舗でラヒム・アナビアンの熱心な研究心と確かな審美眼でイラン中から蒐集された数千点の文化遺産です。アナビアン家がペルシャ美術工芸品コレクションの保存に果たした役割は大変重要で、その蒐集品は紀元前5千年ごろからの美と伝統の歴史を示すペルシャ全土から出土した土器、青釉器、陶器金銀器、ガラス、タイル、珠玉の首飾り、石彫、そして、日本の現代陶芸との繋がりも示すものもあります。 このように世界的に高い評価を受けているアナビアン・コレクションを日本の皆様に紹介し、歴史的な交流を続けることを願っています。現在は二代目プーリー・アナビアンと三代目のダリア・アナビアンの二人が日本で、ラヒム・アナビアンの知識とコレクションを継承しています。
紀元前のイラン人は、動物の形をした素焼きの容器でビールを飲んでいました。台のついていないのもあり、これで一気飲みをしてた空っぽにしないとテーブルの上に置けなかったのです。
古来のペルシャ陶器は日本の土器にもにています。
長年土の中で水が蒸発し、軽くなっていくからです。
貴族や庶民が使っていた陶器を実際に触り、ペルシャ音楽を背景に流しました。
悠久の時間の流れを感じました。
ペルシャ陶器をガラス越しで見るより、やっぱり手にとると楽しさ100倍
ペルシャの文様は、シルクロードを通じ正倉院文様となり、着物や婚礼布団、風呂敷、パチンコ台などに使われるようになりました。
酸化コバルトで作られたペルシャ青釉は、12世紀に全盛期を迎え、セルジューク時代のトルコブルーとして輸出されました。青釉にも様々な色相があり、コバルト色、瑠璃色、雲ひとつ無い空の色など微妙に異なる癒しのペルシャブルーを鑑賞します。
ペルシャ陶器をガラス越しで見るより、やっぱり手にとると楽しさ100倍
その薄さや手触りで当時の生活が浮かび上がってくるこの楽しさは、博物館では味わえません。やっぱりワークショップの時代です。
殆どの古陶器は破片で出土されており、どのように繋ぎ合わせているかも見抜けるようになります。
さらには本物の陶器と贋作との見分け方は、持って重かったり、デザインがグロテスクだったりすると新しい陶器です。
手に持っているガラスは、涙壺と言い、夫を洗浄に送り出した日から止まらない涙を集めるためのガラスの壺です。それは嬉し涙ですかと聞いてきた人もいました。みんなで大笑い。