2022年10月22日土曜日

新世界で古代ペルシャが蘇るワークショップ Ⅲ

 新世界のSPACE★HOUSEで、ペルシャ秘宝の扉を開く展示
観て、聴いて、触って、作ってみよう
展示会期間
2022年9月23 (日) ~ 10月22日(日)

ワークショップ Ⅲ
10月22日(土)
天然エキスを使った香の調合・ペルシャ・フレグランスを作ろう
和泉貴子指導

左 彩文動物飾り付両耳酒器リュトン 紀元前500年
右 ミナイ(ペルシャ語でエナメル)絵画人物文陶器 12~13世紀


シリアとペルシャのガラスの香水瓶 1~3世紀
2000年近く土中に埋もれ、石油成分で表面が綺麗に銀化した


ペルシャの香りが漂う手作りケーキ
カルダモン、シナモン、クローブ、ナツメグ、バニラを使っている。


 受付で立ち話で盛り上がり


始まりが遅れる


ダリア・アナビアンのトークショー 
「ペルシャ姫が楽しんだ香と古代ガラスの香水瓶」



ワークショップで調香師 和泉貴子さんの香のお話とお持ち帰りの香水瓶


シングルの香と複数の花を合わせた香の二種類があり、エッセンスのみを使うと毎回香が異なり、時間とともに香もまろやかになる。


アロマセラピーや古代では宗教儀式、治療、精神を鎮静させるために使われてきた。


現代の香は、エタノールを入れることで、均質化し、揮発性が増し、ファッションとして使われるようになった。 


昔の貴族が鎮静に使っていた香は、現代では自己アピールに使用するようになった。


古代ペルシャやエジプトでは、周りに揮発させる必要のなく、ブランド製の香水が流行するようになってから、


香とは、アピールする香水になっている。


2000前の香水瓶もブール―で、太陽光線で劣化しないように作っていた。
和泉貴子さんの香のワークショップで古代ガラス瓶に入っていた香に触れただけではなく、古代人が神聖なるものとして扱っていたことに気づかされた。

2022年10月16日日曜日

新世界で古代ペルシャが蘇るワークショップ Ⅱ

新世界のSPACE HOUSEで、ペルシャ秘宝の扉を開く展示
観て、聴いて、触って、作ってみよう
展示会期間 2022年9月23 (日) ~ 10月22日(日)
ワークショップ Ⅱ 10月16日


会場が、かの有名な天王寺動物園周辺にあるので・展示のテーマも「紀元前土器の動物園」と銘打ちました。


古代ペルシャとギリシャで、動物の形をした酒器を「リュトン」と呼ばれ、何百年もワインやビールを入れる器として作ってきました。

紀元前から、時代とともに色んな形の「リュトン」が流行りました。


私の祖父、ラヒム・アナビアンは、1950年代にテヘランで何千点ものペルシャ土器から陶器までを蒐集し,コレクションをテヘランの考古学博物館や日本の主な博物館に納めてきました。


そのときの祖父ラヒムアナビアンの店の裏側に立っているのは、来日前の4歳のダリア、私です。博物館で大切に保管されるような陶器が、野ざらしにされている有様が時代の優雅さを語っています。


テヘランにあったあの巨大な土器が、今、新世界に展示しているのが歴史的な御縁。やっぱり天王寺・難波周辺は古代からシルクロードの入り口。


ペルシャ起源の美術品の多くが7世紀に難波を通り、奈良の都へ


正倉院に伝わったペルシャ紀元の4弦琵琶です。


琵琶はペルシャから東へと長旅をし、その文様が貴族達にとって流行の先端でした。
現在も流行の先端であるルイヴィトンは、ペルシャの柄そのままそっくり!


最先端を行くイタリアの有名ブランド、エトロもペルシャ錦に用いられているペイズリー(勾玉)紋様を鞄や服に、まるまる模倣。


ブランド・エトロが真似た本物のペルシャの手刺繍を展示


ペルシャ三彩陶器のモチーフは、カスピ海に泳いでいるチョウザメ。


1970年代は、多くの日本人がイランに出かけ、遺跡の旅や発掘調査が盛んでした。母プーリー・アナビアンは、イランの旅行者のために「ペルシャ語会話辞典」を出版し、イランへ何千冊も送りました。
しかし、その年にイラン・イスラム革命が起こり、イランは独裁政権になり、日本からの旅行者も減り何千冊を乗せた船はイランに届くことはありませんでした。


「ペルシャ秘宝の扉を開く」このイベントの日、2022年10月16日にテヘランの刑務所に火を付けられ、反イスラム革命が起こりました。


再びイランで「みんなのペルシャ語」会話辞典が使えるイランを取り戻すために、女性が頑張っています。反革命のスローガンは「女性、自由、人生」


それを記念して、みなさんに「みんなのペルシャ語」をプレゼントしました。


1979年、イランイスラム革命から日本に避難してきた古代陶器達は


それまで殆ど、倉庫に埋もれ、誰にも知られなかった秘宝がここで陽の目を見ています


プーリー・アナビアンのペルシャ打弦楽器サントゥール演奏


サントゥールも紀元前2000の楽器、アッシリア時代にその原型ができました。


ペルシャの旋律は異国情緒がありながらも懐かしい音だとみなさんの感想。


サントゥールは、ヨーロッパにたどり着くと、蓋と鍵盤と脚が付いてチェンバロに進化しました。その後、鍵盤の間の半音がなくなりました。日本の民謡にはまだその半音が残っているために、懐かしく感じるのでしょう。


羊の腸を弦にし、箱に張ってバチで弾きます。


弦は、時代を経て絹、金属に進化していきました。
右から左へ銅の弦、左から右は真ちゅうの弦が18束交互に張られています。



極狭な弦は4本ずつ小さな電柱のような“小さなロバ”という駒で持ち上げられています。真ちゅう絃は2オクターブ、鋼絃は1オクターブ。


紀元前土器に囲まれながら、紀元前に生まれた楽器サントゥールの演奏をしみじみと聞き入っていました。


展示の紀元前3000年彩文土器


  気化熱を利用して中に貯蔵した穀物や飲料水を低温で保持する機能にすぐれたイランの赤い土は土器生産で欠かせない素材であったそうです。


紀元前の水差し。セレモニーに使っていた芸術品だったのでしょうか。


正倉院御物級の古代ガラスより古く、色んな形の古代の香水瓶


ササン朝時代(3~7世紀)からは厚手の素地にカットガラスの円文装飾を施した透明や瑠璃の杯が作られ、シルクロードを経て奈良の正倉院にも伝えられた。ローマの影響を受けて、更に薄く透明度の高い、彩色を備えた装飾品へとペルシャの地で発達します。  


動物型の素焼きの土器


紀元前の動物型土器は、果てしなく広々としたイラン高原の村落で作られました。砂漠に溶け込む色の家が立ち並び、木一本もなく、羊の芝生と風の盆地は、今でも土器が使われていた4000年前と変わらない風景がつづく。


彩文動物飾り付両耳酒器リュトン 


これで古代の居酒屋で一気飲みしないと、テーブルに置けなかった形の土器、リュトン


シルクロードの大通り、レイという街でペルシャ陶器は最高峰の技術で、ミナイ(ペルシャ語でエナメル)に辿り付く。この手法を日本で「ミナイ手」と呼ばれています。


素焼きの陶器に鉄、マンガン、銅のエナメル顔料を使って人物、動物、自然を絵筆で描き、二度焼きにして仕上げる作品はこれより以降の焼き物に新しい息吹を吹き込みました。


多彩画鳥・動物紋様陶器 ニシャプール産地 9世紀


ニシャプールブルーとも言われるペルシャの青釉壷 12世紀


大きさ形状により、花瓶あるいは
穀物、油、水等の貯蔵に使われたものと思われます。


陶器の研究者、「海のシルクロード」の名づけ親、三杉隆敏先生の箱書き


ペルシャの紀元前の陶器が観客になってくれた演奏でした


古代の音色が館内に響き渡りました


ピアノの中を開けると72弦のサントゥールが隠れています。


ペルシャ錦・ヒマラヤ山羊毛織錦、カシミール地方で作られたペルシャのショール、17世紀後期毛織物は、絹織物よりも保存が難しく、絹のように虫食いや湿気に耐え得なかった。


毛織物は湿気に遭うと毛が縮んで巻き上がり、その生地の組成が崩れる。残念なことに、古い織物の多くは昆虫の餌食になってしまい、16~17世紀当時の毛織物は殆んど現存しません。


裏を見ると刺繍の複雑さに驚かされます。


布片を使って、ペンダントやイヤリングを製作するワークショップを始めて行いました。


子供も参加


手作りアクセサリーの先生、竹芝かおりさんがワークショップを指導してくださいました。


ワークショップでそれぞれが布片を手にとって観察してデザインを考えていきました。


ワークショップの参加者の一人、マーベラスがダンスを披露


ペルシャショールのダンス


始めてのペルシャの旋律に踊り、見事に優雅さを表現し、参加者全員がサプライズを歓迎


センスを持つダンサーマーベラスは、岡本パールの宝石デザイナーでもあり、ペルシャの布片を真珠で合わせると豪華さが増すと言い、次のワークショップが決まりました。


ワークショップの説明書



自分好みのペルシャ錦を選び


形をまずは紙で切り

 
イアリングの型紙を作ると



布片を型紙に乗せて切り


裏地の皮も同じ形に切り


革製の裏地と布片を手芸用の糊で引っ付け


参加者、全員が素晴らしいデザインに仕上げていきました。


オリジナルアクセサリーを作りながらのティータイム


今年の文化庁支援事業(Arts for the Future 2)のために考えたワークショップでした。新世界で古代ペルシャを蘇らせること、劣化してしまった文化財であるペルシャ錦である布片を生き返らせること等などを練りました。文化庁に認定されるために、この企画とその準備に半年かかりました。


錦にいろんな色のビーズを付けて、さらに豪華に仕上げました。


最後にかおり先生に金具を付けてもらいました。


短時間でできたペルシャ錦のイヤリング


やっとこの使い方も学びながら


受講生の色合わせは素晴らしい


布片をペイズリー(勾玉)にデザインした作品


作品を付けてみて


気に入って付けたまま帰りました


始めてとは思えない作品


最後は、ペルシャ伝統的な米粉クッキーと手作りケーキをいただき


サフランティーも何度もお代わりし


古代から宝石のように扱われてきたペルシャ錦の布片をこれからも、ビーズと合わせ、装飾ファインアートに変身させていきます。


ペルシャのルネッサンス!