Dalia Anavian: 2017年末に光の祭り「ハヌカ」

神戸北野町のアナビアン家のリビングルームでイスラエルの「光の祭」のイベントを開催。

まずはイスラエルの講演

聖書に描かれている乳と蜜が流れるイスラエル国は70歳の誕生日を迎えました。イスラエルは若くて旧い歴史を持っています。ヘブライ人はバビロニア時代からユダヤ暦を使用してきました。今年は５７７８年です。2千年前にイスラエルは、ローマ帝国との戦争に負けて国がなくなりました。ユダヤ人は、国を失い、世界中に散らばり、国を持たなくてもユダヤの伝統、言語、教会を守り、国が亡くなっても生き延びてきた唯一の民族です。そして、１００年前に再びイスラエルを建国する運動が始まりました。それをシオニズムといいます。シオンの丘、エルサレムに戻りましょうという意味です。私のおじいちゃんもシオニストの一人でした。　

　スライドの写真（下）

紹介します。テルアビブの父方の祖父です。

96歳になっても、毎日地中海沿いのカフェに行って、カプチーノを楽しんでいました。彼は1948年の建国以前から住んでいるのですが、実はイランからイスラエルにやってきたのです。

祖父はイランの兵役を逃れるために、何頭ものロバを乗り継いでイラクからレバノンに渡り、フランス語がペラペラだったのでフランス人になりすましてフランスの船に乗ってイギリス支配下のパレスチナに着きました。密入国で国ごとに次々と刑務所に入れられ、袖の下のお金を払って自由になりました。

　スライドの写真（下）

次はイスラエルの祖母の紹介です。

イスラエルで毎日ちびマルコを見ていました。日本の漫画はぜんぶヘブライ語に吹きかえられ、放送されています。

祖母は晩年、アルツハイマーとパーキンソン病と１０年間も付き合いました。イスラエルは、医学が発達しているので、パーキンソン病を抑える薬が次々と開発され、病人は、悪くも良くもならない状態で長生きし、周囲は、さらなる看病で嘆きました。家族は「私らが先に天国に行って、お祖母ちゃん、生き残るんちゃうかー」って嘆いたんです。最後の数年は、水も飲めなくなり、液体はすべてジェルで固めて喉から流しました。ある日、そのジェル水が喉に引っかかったとき、天国に行かせた方が楽だったのに、祖母の喉にジェル水がひっかかってる姿を見ると救急車を呼んだんです。天国に行かせた方がよっぽど楽なのに、どんな状態であれ、地球ですこしでも長くいてもらうために「助けよう！」と体が勝手に行動に移るのが、人間の本能ですね。祖母は救急車で病院に運ばれ、助かりました。そこからまた１年チューブにつながれて、生き続けました。

イスラエルは、２０００年間世界中に散らばっていたユダヤ人が約束された地に戻ってきたので、食文化がすごく幅広く、ぜんぶは紹介し切れないんです。

シオニストたちが、イスラエルに世界中の料理をみんな持ち込んでいるんですよ。東ヨーロッパの人が持ち込んだ美味しいプレッツェルやベーグルもあれば、ポーランド人が持ち込んだまずいスープもあります。いちばん人気があるのはアラビア料理です。

次は、イスラエルの気質ですが関西人と似ているんです。イスラエル人は表現がとてもストレートです。嘆き、押しの強さ、感情や情緒をオープンに表すことが人間の素敵な要素とされているけれど、感情におぼれるのがいけないのです。大声を出してブラックジョークを飛ばしたり失礼なことを言って笑いをとるところが関西人との共通点。

人の話を聞くのは苦手です。

イスラエルは、しょっちゅうテロや戦争が起こり、そのたびに戦争の情報をテレビで見たり聞いたりし、そればかり見ていると戦争トラウマになるんですね。それでテレビ局も方針を変えて、戦争の真っ最中に日本にも負けないくらいのバカ番組をやっているんです。「今日は、チョコレートケーキを作りましょう」と料理番組がやたら増えるのです。