2021年1月6日水曜日

19 栄光と激動のイラン情勢

サントゥール演奏会と講演「栄光と激動のイラン情勢」~ イランの現状から乖離している  マスメディアの報道 ~

2019年6月12日 於神戸市勤労会館 アナビアン母娘のレクチャー・コンサート


世界の注目を集めている直近のイラン情勢についてダリア・アナビアンの話とプーリー・アナビアンのサントゥール演奏「ゾロアスター教の再来」という曲を披露し、今のイラン人の想いを届ける。


 今、イラン人がいちばん戻りたい時代。紀元前5世紀アケメネス朝ペルシャ帝国、2500年前に建てた神殿。
 これほど大規模な石造建築は、現代土木工学でも、どのように建てたか、分からないと言われている。それは、今話題の未来の最先端技術、フリーエネルギーが既に古代に存在していたことが想像される。


この驚くべきペルシャ大帝国の遺跡は1931年に、2200年ぶりに発掘された。砂漠に埋もれていて長い眠りから覚めたように出てきた。それまでは、伝説の都だった。



アケメネス朝ペルシャ大帝国の発掘の指示をしたのが初代パーレビ王。

その時代、隣のインドは正式なイギリスの植民地でしたが、イランは非公式のイギリス植民地だった。イギリスが油田の利益の80%を支配し、イランの公務員の大部分をイギリス人が占めていた。初代パーレビ王は、イギリスとのずっこい契約を破棄し、イギリスを追い出し、イランを解放し、アケメネス朝の建国理念を復活させようとした。




キュロス大王の、世界最初の人権宣言が上の写真の円筒の陶器に楔形文字で刻印されている。ここに信仰の自由、男女平等などの法律の制定が刻まれている。紀元前5世紀の宣言が、今こそ全てのイラン人の心の大黒柱になっている。

後にも先にも歴史上ペルシャ帝国ほど巨大で寛大な帝国は存在しなかった。

異民族多宗教共存国家を宣言し、トマス・ジェファーソンの人権宣言もここから継承されたと言われている。アメリカ建国精神と同じ内容である。



これを基にアーリア民族の国という意味で「イラン」と名付けた。余計な話やけど後にナチスドイツが「アーリア人」を”選ばれた優越した民族”として自国の政治に利用して、世界に間違った歴史を広めた。
アケメネス朝ペルシャは、平和な時代が200年続き、マケドニアのアレキサンダー大王がペルシャの贅沢な暮らしをねたみ、ペルシャに侵攻し紀元前331年に、火をつけて滅ぼした。アレキサンダーは、最初は、世界をギリシャ一色に染める戦略だったけど、ペルシャ文化に魅了され、ペルシャの異文化共存政策をとった。戦争は、勝ったけれど、文化には、負けた。最後は、ペルシャの王になりたく、ギリシャの家来から、ペルシャかぶれの腰抜けものと非難された。アレキサンダーはペルシャの文化を取り入れ、ギリシャ分化と融合させた。インドの手前まで行って、ギリシャ彫刻とインドの仏教が合わさってガンダーラ地方やマトゥラー都市で最初の仏像が作られた。このようにギリシャと東洋が合わさってヘレニズム文化が生まれた。イランの次の時代、2000年前のパルチア帝国でヘレニズム文化が広がり、ハトラという神殿を建てた。今はイラクの領域内に入っている。


残念ながら2015年の春にこの神殿も、シリアのパルミラの遺跡とともに、イスラム国に破壊されてしまった。誰にもその存在を知られることなく抹殺されてしまった。


古代ギリシャでは、奴隷制度の下で政治、哲学、芸術、文化などが築かれてきたが、イランは奴隷制度がなかった唯一の帝国だった。法律による統治が優れていて、近代国家への礎を築いた。全域に自由貿易経済圏があったために、シルクロードの交易のネットワークは、今のインターネットのように情報が行きかっていた。イランの壮大な歴史は歴史教科書に殆ど書かれていなく、一般に知られていない。今のイランの現状も殆どメディアで伝えられていない。イランの厳しい現状については、講演で伝え続ける。情報は剣より強し!


ミステリアスなサントゥール演奏をみなさん、しんみりと聴き入った。


栄光と激動のイラン情勢 パート2
7月24日


おこげご飯と記念写真。おこげご飯は、みんなが取り合い


食事の後のサントゥ-ル演奏


ペルシャ語で西瓜のことをヘンダワネという。イランでは西瓜を白いチーズと一緒にいただく。ヘンダワネ。


日本も昭和の時代は、西瓜を塩をかけてたね。


栄光と激動のイラン情勢 パート3&4
9月14日&19日


神戸裏六甲にある弓削牧場の社長も参加され、ヨ-グルトを提供してくださった。
ノンホモ牛乳で出来ているのでそんじょそこらのヨ-グルトとは違う


ノンホモ牛乳は脂肪が上に溜まって昔ながらの本物の味


豆の濃厚なス-プにヨ-グルトと香味野菜がたっぷり


弓削牧場ノンホモ牛乳で作ったプリン。


左から、米粉とカルダモンのクッキ-、無糖の南瓜プリン、ミントのゼリ-が載ったプリン、スパイス香る人参ケ-キ


栄光と激動のイラン情勢 パート5
10月1日


友人のアリモト・アキコさんは、いつも素敵な着物姿でお越しくださる。

今回は渋い大島紬に華やかな帯


栄光のイランと毎回アップデ-トしていく激動イラン最新情勢-その殆どが日本が報道しない事実。


デザ-トは全て無糖でヘルシ-


栄光と激動のイラン情勢 パート6
音楽禁断の国から演奏家


中央:スペシャルゲストエスィ・テヘラニ先生
ロサンゼルス(多くのイラン人が住んでいるテヘランジェレス)で音楽院教師をしながら演奏活動をしていた。しかし、本国イランでは“音楽は心の阿片”と見なされ、規制されていることに心を痛め、アメリカからイランに戻り、伝統音楽の基礎を教える音楽アカデミーの校長として将来の演奏家を育てている。


テヘラニ先生は、北野アナビアン・サロンでトンバクというペルシャの太鼓を演奏中。


トンバクとサントゥ-ルのドゥエット


食事前に乾杯


トランス脂肪酸を含まない油と神戸の地元野菜で作ったペルシャ料理


色んなスパイスが味わえるデザ-ト
カルダモン入り米粉クッキ-、クミンシ-ド入り三日月スコ-ン、シナモン入り薩摩芋ケ-キ、クロ-ブ入り南瓜プリン